秒で盗まれるスポーツバイク。鍵もロックの仕方もママチャリ時代のままで大丈夫?

スポーツバイクは秒で盗まれます。

百聞は一見にしかず。有名な盗難動画を見てみましょう。サイクルラック近くにある防犯カメラの映像です。

10秒も掛かっていません。道路に面していても歩行者がいても関係無し。遠目に見ているだけでは普通に鍵を外しているようにしか見えないでしょうね。

「ワイヤー錠でも盗られたことない」「防犯カメラあるし警備員もいるから大丈夫」という人もいるかもしれませんが、この動画を見る限り大丈夫ではないことが分かります。

さらに問題なのは、盗む人によっては罪の意識すら無いということ。
自転車や傘を盗む人に罪悪感はない? 常習犯の言い分にTwitter騒然 – ねとらぼ

スポーツバイクで通勤しようと思っている人は長時間駐輪のリスクがあります。少しでも危機感を持てるきっかけになれば幸いです。

目次

一部始終を動画で見てみる

冒頭の動画も衝撃的ですが、もう少し例を見てみましょう。

駐輪場で人がいないのを見計らって鍵を切るケース

マンションの防犯カメラ映像。盗まれたのは10万円以下のスポーツバイク。簡単に切れそうな鍵を探していますね。

人気の無いところへ移動して鍵を切るケース

こちらもマンションの防犯カメラ映像。あらかじめ下見しているのか迷わずロードバイクを狙ってます。それなりの手間が掛かることは分かった上で犯行に及んでいるのを見ると常習犯でしょうか。

電動カッターでぶった切るケース

海外はもっと豪快です。室内駐輪場が盗難現場。電動カッターを使われると丈夫な鍵でも防げません。音が鳴るとか関係ないんでしょうね。

路上で堂々とパクっていくケース

こちらも海外ですが日本でも起こるパターンでしょう。日中の人通りもある歩道。明らかに不審者ですが周囲は気にも留めず…というよりも下手に関わって危害を加えられたらと思うと何も出来ないというところでしょうか。

スポーツバイクを盗む側は何が欲しいのか

自転車のパーツ群

ママチャリなら大抵は乗る目的。電動系ならバッテリー。スポーツバイクなら欲しいのはパーツでしょう。フレームは個体番号の刻印・防犯登録シールが貼ってあり、足が付くのを恐れて捨てられるか破壊されることが予想されます。

カーボン製フレームは個体番号が刻印ではなくシールになっていることがあります。金属製よりもリスクが高くなると思った方がいいでしょう。

自転車の防犯意識は低い

日本において窃盗で最も多いのが自転車。2021年の自転車盗の認知件数は106585件。届け出がない分も含めれば相当な数ですね。

防犯意識の低さを示しているのが『鍵』でしょう。筆者の住んでいる福岡県では、令和3年の自転車盗の認知件数は5480件。過半数が無施錠です。

過去には警察がワイヤー錠を無償配布することもあったので、それだけ防犯意識が低いということが分かります。この感覚でスポーツバイクを管理するのは流石に無謀でしょう。

駐輪場所によるリスクの違い

筆者の住んでいる福岡県の自転車盗データを見てみます。

マンションやアパート等の集合住宅、駅周辺やスーパー等の施設にある駐輪場が殆どです。駐輪場所がそこしか無いので当たり前ですが、長時間止める場所は、施錠の有無に関わらず常に狙われていると思っておきましょう。

施錠別の盗難パターン

無施錠
盗られるどころか借りる程度の感覚で持っていく。
施錠あり
(自転車のみでロック)
冒頭の動画のように細いワイヤー錠なら簡単に盗られる。鍵が掛かったまま車に載せて盗られることも。
施錠あり
(固定物にロック)
小型カッター、ボルトクリッパー、電動カッター、ハンマーなどで鍵を壊すか外して盗られる。頑丈な鍵をしているかどうかが大事。
施錠あり
(自転車同士)
サイクリストがやっているのを見掛ける。自転車同士をまとめて施錠して持ち運びしづらくすることで疑似地球ロックのようになる。
施錠あり
(GPS付)
次世代型ロックで位置追跡可能。音が鳴るタイプもあるので付けておくだけでも警戒させることはできる。アップルのAirTagなどを使う人もいる。

GPSについてはこのツイートなど有名ですね。本当に借りる感覚で呆れるばかり。

フレームやホイールに鍵をしていてもサドルやライト等のパーツ単位で盗まれる可能性があります。

被害に遭わないためにできること

やっておきたいこと

  • 防犯登録シールを見える位置に貼る
  • 小型カッターで切られない丈夫な鍵を使う
  • 駐輪時は必ず地球ロック
  • 同じ場所に置かないようにする
  • 脱着が簡単なライト等は外しておく
  • 駐輪時の写真を撮っておく

防犯登録シールを見える位置に貼る

防犯登録シールは見てすぐに分かる位置に貼る

防犯登録シールは見える位置に貼ってもらうようにしましょう。フレームだけでも足が付く…と思わせることが大事。

たまに「見た目がダサくなるから」と気を遣って見えない位置に貼ってくれるショップもあります。気持ちだけ貰っておきましょう。

※防犯登録シールと車体番号の写真を撮っておくこと。防犯登録カードを無くした時に必要になります。

小型カッターで切られない丈夫な鍵を使う

簡単に切られない丈夫な鍵

鍵が弱いと切られるのも一瞬。一見大丈夫そうに見えるケーブルロックはよく使われますが、切断耐性が高めなものを選ばないとワイヤー錠と大して変わらないので注意。とにかくポケットサイズの工具で切られないことが大事。

合わせて読みたい

駐輪時は必ず地球ロック

U字ロックで鍵を掛けている様子

自転車ごと持っていかれないように地球ロックは面倒でも妥協しないようにしましょう。駐輪場でよく見掛ける《車輪受けと前輪》《フレームと後輪》は無駄ではありませんが、少しの手間があってもリスクは軽減しておきたいところです。

同じ場所に置かないようにする

屋根付きの駐輪場

いつも同じ場所に置いていると駐輪時間帯や持ち主が離れる時間がバレます。定期の指定駐輪では難しいですが、可能であれば離れた場所に変えるようにして同じ場所に置かないようにすることも検討しましょう。

脱着が簡単なライト等は外しておく

自転車用のフロントライト

ライトは需要が高く付けっぱなしにしているとすぐに盗られます。特にキャットアイは使用率も高いので値段関係なく盗難率が高いです。

筆者の体験談ですが、キャットアイの1000~2000円程度の乾電池式ライトは過去に3度盗まれました。長時間駐輪時・スーパーで30分程度離れた時・コンビニで5分程度離れた時、時間の長さ関係なく狙われます。

駐輪時の写真を撮っておく

駐輪状況をスマホで撮影する様子

駐輪時の写真があれば、警察に被害届を出す時にどういう状況だったか報告にも使えます。また、盗難被害を共有するようなWebサービスにも使えるので、危険性が高い駐輪場所では写真を残しておきましょう。

Twitterで自転車盗難被害の拡散ツイートが飛んできたことがありませんか? 過度な期待をしてはいけませんが、駐輪時の写真を撮っておけばヤフオクやフリマでの出品状況などを共有してくれる方もいるかもしれません。

被害に遭った時にできること

やることリスト

  • 盗られた場所と周辺を写真に撮る
  • 駐輪頻度、場所、日時、鍵の有無などの状況をメモ
  • 最寄りの警察に被害届を出す(持ち物チェック)
  • 盗難保険や火災保険に入っていれば適用可能か連絡
  • 駐輪時の写真があればSNS拡散や注意喚起
  • ヤフオクやフリマに出品されてないかチェック

参考リンク

自転車盗難情報・自転車防犯対策の総合サイト CSI:自転車特捜24時
自転車専用の盗難情報サイト。注意喚起という意味でも登録しておいていいかも。

自転車が盗難された!火災保険は使える? – 火災保険の比較インズウェブ
保険の請求手順が分かるサイト。

自転車が盗まれた!盗難届を出してから見つかるまでの流れ
警察への届け出に関する一連の流れが分かりやすい。

ロードバイク を盗まれた話(その1) | 僕に捧ぐ
その3まであります。盗まれたロードバイクがメルカリに出品〜犯人逮捕までの流れが時系列で詳しく書かれています。とても参考になる記事なので是非読んで欲しいです。

常に狙われている意識を持つこと

盗られる時は一瞬。正直周りに人がいても気づかないし、気づいても見て見ぬ振りが殆どだと思います。鍵の有無に関わらず隙があれば何かしら盗られると思っておきましょう。

  • 無施錠では借りる感覚で乗っていかれる
  • 施錠していても簡単に切れる鍵を狙っている
  • 地球ロックされていないと担いで持っていく可能性がある
  • 自転車が無理でもパーツ単位で盗っていく

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